デジタルトルクレンチを買いました

 

ついにデジタルトルクレンチを買ってしまいました。

トルクレンチとはネジを締める力を管理できるネジ回しです。

デジタルトルクレンチは、その力をデジタルの数字で表示してくれるネジ回しとなります。

 

なぜトルク管理が要るのか

 

ロードバイクはありとあらゆる物がフレームに六角ボルトで固定されています。

その固定部をよく見ると何やら数字が書かれています。

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これが推奨されるトルク値となります。

我がロードバイクで言うと各所でバラバラな数値が推奨されています。

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正直、数値なんて気にしないで100均で売ってる六角レンチでも事足りるとは思っているんですよ?

でもやっぱり自転車に命を預けているところもあるので、きちんと管理したい気持ちもあります。

今使っているトルクレンチはこんな感じ。

BIKE HAND(バイクハンド) YC-617-2Sコンパクトトルクレンチ ブラック

使い方はこう。

目盛りでトルク値を設定します。

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ボルトを締めていくとそのトルク値でハンドルから「カチッ」と音がして少し力が抜けます。

それが合図なのですが、慎重に締めてないと気が付かないことがあるんです。

トルクレンチは柄が長く、力が入りやすいので、締めすぎて自転車を壊してしまう恐れがあります。

実際にねじ山を切ってしまったことがあります。

youhei2018.hatenablog.com

デジタルトルクレンチなら、回しながらトルク値を見られるのでそういった心配が無いと思うんです。

 

デジタルトルクレンチの特徴

 

デジタルトルクレンチでのトルク値管理は、デジタル数値を表示させる他に、音と光で目標数値に近い事を知らせてくれる機能があります。

これならきっと締めすぎることも無いでしょう。

 

デジタルトルクレンチの色々

 

アマゾンで「デジタルトルクレンチ」と検索すると色々出て来ます。

国内販売で大きなものは以下の3社

 

KTC(京都機械工具)

TONE(TONE)

SK11(藤原産業)

 

一番規模が大きくユーザーの信頼が厚いのがKTC(京都機械工具)なのかな、と思います。

シマノのカタログにも自転車用工具として載っています。

 

次がTONE(TONE株式会社)。ネットでレンチの検索をしてるとよく引っ掛かります。

 

SK11(藤原産業)は工具メーカーでは無く商社のようです。

その取扱いブランドは近所のホームセンターで「廉価品」として良く見かけるものでした。

 

デジタルトルクレンチは、その計測範囲で「自転車用」と「オートバイ、自動車用」に分けられます。

ここでは各社の「自転車用」のデジタルトルクレンチのAMAZONリンクを貼ります。

KTC ( 京都機械工具 ) デジラチェ 【9.5sq】 小トルクタイプ GEK030-C3A

トネ(TONE) ラチェットデジトルク T2DT30H 差込角6.35mm(1/4") ブラック 30N・m

ただし、TONE製は最低トルクが6Nmなので自転車には不向きかも知れません。

SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 1.5~30N・m SDT3-030

 

KTCとSK11を比べると、信頼感でKTCに軍配が挙がりますが、安さでSK11を選びました。

 SK11のレビューを読んでて気が付いたのですが、「自転車用」に買っているのに、管理トルク値が3~60Nmの「SDT3-060」を選んでしまってるんですよね。

自転車のパーツに書かれているのは最低5Nmだから良いように感じますが、よく読むと「精度保証範囲」が12Nm~になってるんですよ。

つまり6Nmで止めたとしてもメーカーとして「実際その数値だと保証出来ません」という事ですよね?

デジタルトルクレンチの場合、「大は小を兼ねる」とはいかないようです。

ロードバイク用に買うときは「SDT3-030」を選ぶべきだと思います。

 

使ってみて

 

届いたので早速使ってみます。

第一印象は「楽しい!」

前に書いた様に設定トルクに対して数字と音と光で知らせてくれるんですが、中でも「」が良いですね。

設定トルクに近づくと「ピッ、ピッ」と断続的に音が鳴り始めます。

更に締めて行くと「ピピピピ」と音の鳴る間隔が狭まり、設定トルクに達すると「ピーーーー」と連続音になります。

そこで回すのを止めると所定のトルクが導入された事になります。

この音の変化が楽しい😁

デジタルにアナログ感が足されているからでしょうか?楽しい工具って何だよ!

 

 トルク値の比較

 

以下の3種類のレンチでトルク値比較をしてみました。

 

1.デジタルトルクレンチ

2.六角棒レンチ

3.(アナログ)トルクレンチ

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写真の順番がメチャクチャですみません。

サドルを固定するボルトが9Nmだったので、こちらで比較しようと思います。

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まずはデジタルトルクレンチで締めてみます。

数値を設定します。

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「ピークホールドモード」にして測ると最大値が保持されるので確認に便利です。

 

9Nの設定のところ、9.15Nmで止めることが出来ました。

これを緩めると8.49Nmと出ました。

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その差約0.7Nm

 

次に六角棒レンチで締めます。

人によってマチマチでしょうが、「普段」の力加減で締めました。

これをトルクレンチで緩めます。

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8.05Nmと出ました。

締めと緩めの差が0.7Nmなので8.8Nmほどで締めていたものと考えられます。

「いいじゃん!かなり正確!」

 

最後にアナログのトルクレンチで締めます。

目盛りを8と10の間にセットします。

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「カチッ」と力が抜ける感じを逃さないように慎重に締めます。

これをまたデジタルトルクレンチで緩めます。

7.40Nmと出ました。

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0.7を足すと8.1Nmです。

「おやおやぁ?1Nm足りませんなぁ?」

たかが1Nmですが、割合で言うと10%以上の誤差です。

信じていたのに「アナログトルクレンチ」。

 

どちらかというと人間の「勘」の方が信用に足るという結果になってしまいました。

デジタルトルクレンチ自体の精度はどうなんだ?という疑問もありますが、「検査成績表」が付属していてテストの結果誤差1%以内だという事なので、これを信じたいと思います。

 

まとめ

 

デジタルトルクレンチ

無くても良いけど、あると楽しい工具でした。