心拍計の活用2
前回、心拍計の活用として、ポジションの違いによる疲労度を測ってみました。
しかし、予想と違う結果が出てしまいました。
予想では体が起きているポジションほど空気抵抗が大きいので、ペダルを漕ぐ力が必要になり、結果平均心拍数が上がるだろうと思っていました。
しかし、実際に走ってみると最も体が起きているだろう上ハンポジションの心拍数が最も低かったのです。
そこで今回はローラー台を使ってポジションの検証をしたいと思います。
目的は空気抵抗によらず、姿勢だけで疲れ方に違いが出るのか?
そしてそれはどれほどの違いなのか?を知るためです。
実験方法
ローラー台に乗ってポジションを変えながら、それぞれ5分づつ漕ぎます。
抵抗を一定とするためローラー台の抵抗は変えず、ギヤも変えず、速度を20km/hにキープしながら漕ぎ続けます。
時間経過による疲労を考慮して3セットの平均値を比較します。
前回と同じく腕時計型心拍計とレザインGPSで記録を取ります。
ケッカハッピョーーーー!!!
平均心拍数の低い順に並べると
1.ブラケットポジション (119+121+121)/3=120bpm
2.上ハンポジション (121+121+122)/3=121bpm
3.エアロバーポジション (125+125+126)/3=125bpm
以上となりました。
平常時の平均心拍数が75bpmだったので、この数値からの差を比較します。
1.ブラケットポジション 120-75=45 (100%)
2.上ハンポジション 121-75=46 (102%)
3.エアロバーポジション 125-75=50 (110%)
カッコ内の数字はプラケットポジションを100とした時の割合を示します。
なんとエアロバーポジションはブラケットポジションに比べて10%も多い(疲れる)結果となりました。
また追加として下ハンポジションを1セットだけ測ったところ、123bpmとなり、ブラケットポジションに対し7%アップでした。
考察
特筆すべきは「エアロバーを使うとそれだけで疲れる」という事ですね。
心拍数以外にも実感としてこのポジションだけ汗をかきました。
他のポジションに変えると汗が引いたので明らかに疲れるポジションだと言えます。
エアロバーを使うと速く走れるのは分かっていたのですが、逆にスピードを抑えればエネルギーの節約になると考えは甘かったようです。
なぜエアロバーポジションは疲れるのか。
1つ目は窮屈な姿勢で呼吸が浅くなることによる酸素不足。
2つ目は前屈により骨盤が傾き、サドルが下がっているかのような効果が出てしまう事。
3つ目は頭が前に出るので5~6kgはあるという頭を支える筋肉が働いでしまう事による疲労。
などが考えられます。
次に上ハンがブラケットポジションとあまり変わらかった問題。
実走では上ハンがブラケットより好成績だったので、同じ傾向が出るものかと予想していましたが、同じかむしろ逆転してました。
こちらに関してはちょっと理由が思いつかないんですが、例えば実走中に風の強さが変わって、本来出るはずのない差が出てしまったのかも知れません。
まとめ
「エアロバー絶対有利」を予想した一連の実験なのに逆に「不利」が数値で示されてしまいました。
でもたぶんもっと高速域でなら空気抵抗が支配的になってくる「はず」なので話は変わってくると思います。
ただ、これ以上のスピードを一定に保てる自信がないので実験のやり方は変える必要がありますね。