スピードセンサー新旧対決

前回心拍計の比較実験をしましたが、楽しかったので前々から気になってた別の実験をしてみました。

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はじめに

新型のスピードセンサーは有益なのか。

従来のスピードセンサーはスポークに磁石を付け、センサーはフロントフォークに付けるタイプです。
 
それに対して自分が「新型」と呼んでいるものは回転を検知するセンサーをハブに付けるタイプです。
 
自分は従来型のスピードセンサーに不満を持ってました。

理由は

・センサーがずれたり、マグネットがずれたりして気づいたらスピードが測れてない。
・後に述べる理由で走りに悪影響があるんじゃないかという疑い。

今回はこの「走りに悪影響」の部分を実験で確かめたいと思います。

実験方法

1.ロードバイクの前輪にスピードメーターを付け手でぐるっと回す。

2.時速30kmから時速20kmまで自然に落ちる時間を測定する。

3.新型と従来型の時間にはっきりとわかる差があれば走りに影響があるものとする。

まあ時速30kmというのは理想論、机上の空論で、そんなに速く手で回せなくて実際は時速15kmから10kmまでとなりました。

使用器具

1.従来型

zmart SunDing ケイデンスセンサー Bluetooth4.0 サイクルコンピューター

ブルートゥース接続のスピード&ケイデンスセンサーです。

実際は後輪に付けるものですが、今回は前輪に付けました。

2.新型

XOSS新しい自転車コンピュータサイクリングケイデンスセンサースピードメーター自転車ANT + Bluetooth 4.0ワイヤレスサイクルコンピュータ

ANT+とブルートゥース接続の両方使えるセンサーです。
電池を入れ方でスピードセンサーにもケイデンスセンサーにもなりますが、同時に両機能は持てないので両方の数値を知りたい時は2つ購入する必要があります。

これらとペアリングして数値を表示させるのはこちら

LEZYNE(レザイン) スーパーGPS サイクルコンピュータ

このサイコンに表示された数値を一旦スマホの動画で撮り、時速15kmから10kmになるまでの時間を記録します。

ホイールはカンパニョーロのバレット
アルミとカーボンのハイブリッドリムでディープリムがカッコイイ。
ブレーキ面がアルミなので長い下り坂でも気兼ねなくブレーキをかけ続けらる利点もあります。

結果

1.従来型

12回の測定で、かかった時間を羅列すると、
51,53,51,52,53,52,53,54,53,53,52,52秒でした。
平均すると

 52.4秒

2.新型

同じく12回の測定で
53,52,53,52,52,57,53,55,53,57,55,55秒でした。
平均すると

 53.9秒

従来型と新型の時間差は1.5秒でした。

勝者 新型!

考察

1.5秒差と言われてもどんだけのものかよくわからないので考えてみました。
この減速にかかる時間は加速度を出すのに使えます。
新型センサーの場合、速度を5km/h減らすのに53.9秒かかるのだから
5x1000m/(60sx60mx53.9s)=0.0258m/s^2の加速度で減速されてるわけです。
従来型も同じ計算で加速度が計算できます。
そうすると減速にかかる時間の比で加速度の比も求められます。
53.9/52.4=1.029で約3%の差があるとわかります。

ホイールに関して言えば従来型スピードセンサーは約3%多く減速されるということです。
せっかく高級でよく回るといわれるようなホイールを買っても従来型のスピードセンサーを付けていたらその性能を3%損なう可能性があるのです。

さて、最初の方で従来型のスピードセンサーは走りに悪影響があるんじゃないかと疑ってると書きましたがここでその理由を述べます。

 

1.マグネットとセンサー間の磁力
固定ローラーの多くはマグネットで抵抗を発生させています。
つまりマグネットとセンサーの間でもわずかながら抵抗が発生してるはずです。
もちろん取るに足らない抵抗だとしても確実にそこに抵抗があるとわかってて放置するのは嫌なんです。

2.マグネットが空気抵抗になる。
マグネットはスポークに取り付けます。
スポークは空気をかき回すことで走行抵抗になっています。
バレットのスポークもエアロスポークといってきしめん的な平べったい断面をして空気抵抗を減らしています。
そこにマグネットのようなボコッとした形のものを付けるとそこに空気抵抗が生まれてるはずです。それも嫌。

3.マグネットとセンサーの間が近いので抵抗が生じる。
マグネットとセンサーの間はホイールが一周するごとに近づいたり離れたりします。
その間の空気は圧縮されたり引き剥がされたりして抵抗を生じさせてるはずです。
実験なんてしてないですけど空気ってそういうものでしょ?その抵抗がイヤ。

 

従来型のスピードセンサーに生じる抵抗のもとはこんなものかなと思っています。
これらが3%分の減速を生んでいると考えました。

これら抵抗の他にマグネットの重量もイヤです。
新しいホイールを買う時に重要な指針として「重さ」があります。
全体的な重さもありますが、リムに近い部分が重いと加減速の際に慣性力が余計にかかります。
マグネットはセンサーとの位置関係からリムに近い部分に付けるものなのでこれもイヤ。

おわりに

今回従来型としてsundingのセンサーを使用しましたが、こちらはブルートゥース接続のみでant+は使えません。
以前レザインGPSの測定値が安定しないのでセンサーをブルートゥースからant+に変えた経緯がありました。
今回も少しだけ急に速度が0kmになるなど不安定な部分が見えました。
これがブルートゥース接続の為なのか、sundingセンサーの製品の為なのかわかりません。
XOSSもレザインGPSもどちらもブルートゥースおよびant+接続が可能な製品なので一度実験したいと思います。