富士山ライド

これは2015年6月に富士山の麓まで行った時の話です。
動機としては子供の頃の「あの煙突まで行ってみたい」というのと変わりません。
たぶん東京から見える一番遠い場所は富士山でしょう。
富士山に行くと言っても自転車で山頂に行ける訳でもなく、ゴール地点が曖昧ですが、富士急行線に「富士山」のいう名前の駅があったので、ここをゴール地点としました。
家からの距離は約130km。
帰りはもちろん輪行で。
ルートは最短距離というよりは自転車で走りやすそうなコースを選びます。
一旦多摩川まで出て、多摩川サイクリングロードを進み、ヒルクライムコースとして有名な道志道をつなぐコースとしました。
甲州街道を行くより厳しそうだけど、一度走ってみたかったコースなので頑張って走ります。
この頃はまだスマホをナビ代わりにする知識が無くて、パソコンで地図を印刷して赤ペンでルートをなぞり、余分な部分を切り取ったものを折りたたんで携行しました。
次に時間です。
それまでの経験から平地の平均時速は信号待ちを含めて16km/hだと推定しました。
ヒルクライムはきっと半分の8km/hくらいでしょう。
これにコンビニ休憩を何回か取る事を考えながら地図に各地点での到着予定時刻を書き込んでペースの目安にします。
都心あたりのルートは一度試走して当日に迷って余計な時間がかからないようにしました。
ところでアンドロイドスマホには必ずgooglemapアプリが入ってるかと思いますが、その機能に「タイムライン」なるものがあります。
これはスマホが自動で持ち主の行動を記録してくれる機能で、何年も毎日のログを蓄積し続けています。
それによると当日は朝の5時に家を出発しています。
長距離を走るのでなるだけ脚を残せるように速度を調整します。
ペースが崩れる原因となるのが自分より少しだけ遅い速度で走ってる自転車の存在です。
後ろに付いてるとペースが遅くなるし、抜くためには車が来てないタイミングで猛烈にスピードを上げなきゃいけないし、抜いたとしても信号待ちで抜き返されたりして、脚は使うしストレスでした。
まあ何やかんやで初めての多摩川サイクリングロードにたどり着きます。

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多摩サイは場所柄から何となくお金持ちが集うハイソなサイクリングロードとして勝手な憧れを抱いていたのですが、自転車道としては荒サイや江戸サイに比べてあんまり良くなかったですね。
幅は狭いし歩行者は多いし所々減速のための凸凹があって不快だし。
そんな多摩サイを過ぎて八王子付近にやってくると地形が変わってきました。
そう、「坂」です。
都心部に比べて坂が異様に多い。坂ばっかり。
登ったり降りたり。
その内登ったり登ったり登ったりとなった所で道路標示を見ると御殿峠という名前がついていたのは驚きました。
風景的に峠感は無いけど確かに長いこと登ってきたわ。
それでも道志道に比べればまだまだ序の口だったんですよね。
もうすぐ津久井湖という所で急に勾配がキツくなりました。

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家から60~70km走ってきてこの勾配は無いわーとプランニングした過去の自分を責めながらも登っていきます。
この辺あまり記憶がありませんが、しばらく登っていくと「神奈川県の最高地点」的な看板がありました。

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それを過ぎると急な下り坂です。
せっかく登ってきたのに降ろさないで欲しい。
また登り直さないといけないじゃん。
そうして再び登り始めると正直嫌気が差してきました。
もうこんな事やめたい。
スマホで現在位置を確認します。
完全な山の中で輪行に適した駅が見つかりません。
引き返すにも今さっき下ってきた坂をまた登りたくはありません。
もちろんゴールしたい気持ちも大きいですが、登りが辛すぎるー。
旅館があったら泊まりたいとも思いましたが、出てくるのはキャンプ場ばかり。
しかたなく前進する道を選び休み休み登っていきました。
この辺でハンガーノックと思われる症状が出てきました。
すごく眠くなってきたのです。
自転車漕いでるのに眠くなることなんてあるか?
なんて当時は思っていましたが、後で調べるとどうもハンガーノックのようですね。
どうやって乗り越えたのかは自分でも定かではありませんが、それでも先に進んでいきました。
休憩出来そうなあずま屋に寄ると先客がいたので話しかけました。
調布に住んでるというアラサーのビアンキ乗りで、自分と同じZONDAを履いていたので盛り上がりました。
彼からこの先の「道の駅どうし」では豚の串焼きが美味しいという情報をもらいました。
その彼はどうも力尽きたようで、道の駅に辿り着く前に引き返すので残念ながら食べられないとの事でした。
自分はもう後に引けないというか、2回もこんな事やりたくないのでなんとしてでもゴールする気持ちになってました。
彼と別れてまたしばらく地獄の坂道を登っていくと「道の駅どうし」が現れました。

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第一印象は「すごい数のオートバイ」。

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人気のツーリングコースなのか、はたまた何かの集会でもあるのか普段の街中では見られないような数のオートバイが停められていました。
峠道を走ろうという気持ちは自転車乗りもオートバイ乗りも共通して持っているのでしょうか。
ともかくビアンキ乗りのお兄さんに勧められた豚の串焼きを頂きながらしばしの休憩です。
ビアンキ兄ちゃんによるとこの先上り勾配が急になると言うこと。
言ってた通り勾配がキツくなってきてとても登りきれそうになくロードバイクを降り押して歩いてしまいました。
でも何やかんやで最高地点は越えられた訳です。

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後はゴールまで下るのみ。
ああ、もう必死こいて漕がなくていいんだ。
出過ぎるスピードを抑えつつ山中湖に到着です。

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そういえばこれまでまったく富士山が見えていませんでしたが、ちらちらと雲の切れ間から見えるようになってきました。うーん、いけず。
山中湖を過ぎると富士山駅まではずっとゆるい下り坂です。
しかし油断は禁物。
調子こいてスピード出しすぎて曲がるポイントを間違えてはいけません。
引き返すことすなわち坂を登ることになるのです。
もうそんな力残ってません。
慎重に道を確かめつつ下っていきます。
午後6時ついにゴール。

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130km走るのに13時間!平均時速10km/h。
時間かかりすぎ。
しかしこの後も色々遠出してるんですが、大体このくらい掛かってしまうんですよね。
まあ今回は無事ゴール出来ただけ良かったとしましょうか。
駅前で吉田うどんを食し輪行でとっとと帰ってたのでした。

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