スルーアスクルがねじ込めない!?

 

何が起こった?

BianchiARIA DISC 105を購入したのですが、ディスクブレーキという事で、キャリパーブレーキと色々扱いが違います。


その一つとして輪行があります。
輪行では車輪を外して電車内に持ち込むサイズを小さくする必要があります。
ディスクブレーキでは車輪を外すときに「クイックリリース」では無く、「スルーアスクルという構造となります。

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クイックリリースはホイールに付いていますが、スルーアスクルは引っこ抜いて別途保管となります。

近いうちにARIA輪行することもあるだろうという事で、家で練習する事にしました。
時間は掛かりましたが何とか輪行袋に収納する事ができました。

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ところが、です。

後輪のスルーアスクルが元に戻らんのです!

後輪自体はきちんと嵌っているように見えます。
スルーアスクルもきちんと穴に差し込めています。

しかし、ネジがねじ込めんのです!

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むなしくカラ回りするのみ。
ネットで検索してもそれらしい記事は出て来ませんでした。

さて困った。

これではもうARIAに乗れません。

買った店舗に輪行で持っていくか...
面倒過ぎる...
自分で何とかしたい!

原因究明

ネジなので最初の引っ掛かりに届けばねじ込めるはずです。
しかしどんなに力を込めてねじ込んでも虚しくカラ回りするだけです。
力技ではダメでした。

自分で外すまではきちんとねじ込まれていたので、ネジのサイズが違うという事はないでしょう。
逆サイドからねじ込んでみましたが、抵抗なく緩みもなく、きちんとねじ込めました。

 

車輪を外してフレームだけで試しましたがねじ込めません。
???

 

車輪関係ないの?

 

車軸が少し曲がっていて、それでねじ込めないという可能性が消えました。

 

フレームにスルーアスクルを挿した状態で観察します。
外側からはねじ込めるのに内側からねじ込めないのは何故だ?
内側の雌ネジが潰れている?
内側からだとネジが始まる位置が奥まっているのでよく見えない。
外側から見ると少し芯ずれしているようにも見える。

雌ネジの部分だけフレームから取り外せたらどうなっているかわかるのに...

え?外せる?


原因発見

雌ネジ部分は金属のプレートがネジ止めされていました。
しかし、そのネジの穴は星形してる。
これは「トルクスレンチ」というものでないと外せません。
こういうのはあんまりいじっちゃいけないのかな?と思ってトルクスレンチは持っていませんでした。

しかしこれはもう買うしかない。
「六角レンチで言うと3mmと4mmの間」という目安だけ付けて近所のホームセンターに向かいます。
取り敢えず色々なサイズが入ってて、値段のお安いこちらを買いました。

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力が掛けられるようにこちらのラチェットレンチに挿します。

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さぞかしギッチギチに締められてるんだと思ってネジを外そうとしたんですが、思いのほかあっさり緩みました。
ネジを緩めるとそれにつれてリアディレーラーが動きます。
え?なんで?
よく見るとスルーアスクルを受けるプレートにディレーラーハンガーが留められていたのです。

「謎は全て解けた!」

つまりはこういう事です。
スルーアスクルを受けるプレートは内外2枚からなっています。
外側のプレートにはスルーアスクル用の雌ネジが切ってあります。

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そして内側のプレートはスルーアスクル用の穴が開いていて、さらにディレイラーハンガーが付いています。

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この内外2枚のプレートがズレていたんですね。
内側の穴が邪魔をしてスルーアスクルのネジがねじ込めなくなっていたのです。


解決法

トルクスのネジを緩めて内側プレートの穴位置を調整します。
スルーアスクルは無事ねじ込むことが出来ました。

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スルーアスクルを差し込んだ状態でトルクスのネジをきっちり締めます。

これで無事、スルーアスクルがスムーズにねじ込めるようになりました。

考察

何故、今回このような事が起こったのでしょう。

ARIAが組み立てられた際、初めは内側プレートと外側プレートの穴は合っていたはずです。
そうでないとスルーアスクルがねじ込めないですからね。
しかしトルクスボルトの締め込みが甘かったため、内側プレートがディレーラーに引っ張られ、ずれてしまった。

自分は以上ように考えました。

 

そうなると原因は二つあります。
一つは構造上の問題。
内側プレートがディレーラーハンガーに繋がっているのに、スルーアスクル用の穴も開いている事。
ディレーラーに力が加わるとスルーアスクル用の穴位置が外側プレートだけズレてしまう構造です。
穴位置がズレると、スルーアスクルが差し込めなくなってしまいます。

 

もう一つは整備上の問題。
上記のような構造上の問題を意識せず、ボルトの締めが甘くなってしまった場合。
ディレーラーのバネで、ディレイラーハンガーが引っ張られて穴位置がずれてしまいます。

今後の対応

構造上の問題がある限り、きつくボルトを締めていたとしても、どこかにぶつけたとかして穴位置がずれることがあるでしょう。
それを考えると輪行の際はトルクスレンチが必携になります。

自分の使ってるマルチツールをよく見たらトルクスレンチが1本付いてました。

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でもサイズ違いでした。残念!

なので、1本だけのトルクスレンチT20を買い足すつもりです。

トルクスレンチ T20